連続TV小説「ウェルかめ」
第二十週「ゾメキ解散!?」
◎ 第115回
勝乃新と結婚をして、二人のささやかな新婚生活がスタート。
幸せを味わう暇もなく波美の働く、ゾメキ出版がライバル会社、
H&E社のトクジョーに、スポンサーをとられて経営が厳しい
状態に追いやられていきます。そんな中で波美もスポンサーを
開拓しながら、編集の仕事と忙しく過ごしています。
そんな時、昔、勤めていたマニフィークというファッション誌
のあこがれの編集長、近藤摂子:星野知子が新しい雑誌を立ち上げる
事になり、波美に編集者として働いてくれるようにお願いに来るのでした。
ゾメキ出版が大変な時期でしたが、波美の心は揺れ動きます。
しかし、ゾメキに残り、もっと多くの人々に逢い、勉強を続けたいと
申し出を断るのでした。
波美のアパートでは、勝乃新がレポートの制作に追われています。
波美はコーヒーを勝乃新に入れてあげます。
波・忙しいそうやね。
勝・ああ。ありがとう。明日までにレポートを出さなあかんよってな。
波・ほうか。
勝・なんや。えっという波美。何か言おうとしてたんやろ。
波・ちょっと報告しようかと思うて。何の?という勝乃新。
こないだ話したあれな。波美は勝乃新の前に正座して座る。
近藤編集長に誘ってもらった件。
勝・おお。どなんしたんや。波美に対面して座りなおして、
決めたんか?という勝乃新に波美は、断ったという。
断ったんか? うんと頷く波美。ちょっと不安そうな顔になる
勝乃新だが。ええんちゃう。という。
波・えっ。 ええと思うで。という勝乃新。
波・ホンマ。うんという勝乃新。
一夜明けて ゾメキでは、吉野が社員全員に報告をしています。
吉・さっきな。花桃堂はんに行って来た。チャレンジャー10の
見出し広告。飲んできた。みんなが頷いている。
まあ。見出しの顔写真。ちいとばかり小さくなるけんどな。
ロベ・その分インパクトのあるデザイン考えるよ。
友近・とりあえずこれでしばらくは安心という事ですね。
勅使河原・まあ。頑張りましょう。
須藤・そうそう。応援してくれる読者が沢山いるんだから。
吉・ほうやな。自分たちでやれる事は何でもしょう。今までどおり、
一冊一冊全力を尽くす事。な。全員がはいという。ホナ解散。
はいとそれぞれが持ち場に戻る。
一人波美は何か考えている。そして思い立ったように、吉野を
呼び止める。
波・あのう。編集長。うん。という吉野。実はこんな人がいらっしゃる
んですが。と言ってレポート用紙を見せる。何かの企画に出来んかと
思いまして。
吉・斎藤紀子さん90才。ああ。スダチ農家の人か。
波・はい。今でも現役で。
吉・おう。元気やな。ご家族の方とやっていらっしゃるの?
波・いえご主人を十年前に亡くされて。お子さんは誰も継がんかった
そうです。
吉・ホナ。お一人で。ええ。という波美。
波・ご主人の残されたスダチの木を守っていらっしゃって。
吉・ううん。何処で知ったん。この人。
波・実はこれ。と言って小さな紙をみせる。
波・こないだ。両親から送ってきたスダチの箱の中にリーフレットが。
リーフレットには、私が育てましたと書いてあり、斎藤紀子:河東けい
の顔写真が載っている。
吉・ふふ。何処にネタが落ちとるかわからへんな。
波・思い切って電話してみたら、元気な声が返ってきて。何か素敵な
おばあちゃんでした。逢ってお話してみたら、もっと色んな話が聞けると
思うんです。
吉・ほうか。ホナもう少し取材してみ。了解を取れた波美は嬉し
そうにはいと言うのだった。
全員が出払って人がいない事務所に、勅使河原が戻ってくる。
会議室を覗く勅使河原。吉野がチャレンジャー10の記事を
見つめてなにやら考えている。勅使河原が会議室へ入ってくる。
勅使河原・何?センチメンタルで。えっという吉野。
吉・なんでや。
勅使河原・あなたが黙って外を見ているなんて
吉・うん。なんやなあ。この辺がざわざわってざわついとって。
と胸の辺りを触る。ふううん。という勅使河原。
吉・花桃堂はんの見出し広告。引き受けては来たものの。ホンマに
これで良かったんかなあ。って
勅使河原・あなたの決断に間違いはない。私が保証します。
吉・なんや頼もしいなあ。
勅使河原・一人で背負い込まない事。みんなで守りましょう。
吉・うん。ありがとう。と言い、互いに頷くのだった。
その夜。波美と勝乃新は二人ではまもと荘に戻っている。
居間では家族団らんの食事をしていた。
加代・もうなんや二人とも忙しそうやったけん。
心配しとったんよ。
波・挨拶遅くなってごめんな。
泰三・アルバイト二つとはちょっと大変やなあ。
勝・いやいやたいしたことありませんわ。
結構ね。どうにかなるもんですわ。
加代・父さんが厳しく言うけん。無理しよんちゃうん。
体大事にしてよ。
哲也・俺はいつまでも悪もんか。と言いながらビールを手酌している。
いえいえ。カメ子を支えるんも僕の仕事ですよ。
航・な。聞いた。 な。聞いたとおどけてみせる。
哲也・で、波美の方はどうなんや。
波・ううん。元気にやっとうよ。会社がね。めちゃ忙しいて。
勝乃新が魚を美味しそうに食べている。泰三がこれもやると
自分のを出すが十分ですという。加代がご飯のお代わりを勧める。
勝・お願いします。
加代・ほんだけんど、勝乃新君はホンマによう食べるなあ。
そういいながらご飯をよそう加代。
勝・そうですか。そうやわ。という波美。
こういうときにたべておかんとな。
それを聞いた航は波美が何も作って食べさせてないと思って
航・姉ちゃん何も作ってあげとらんの?
家族がええ!!とそうなんかという目で波美を見る。
波・いやいや。何かまあ。うちの方が作ってもらいよるんよ。
とちょっと小さな声で言う。
ええ!!と全員がびっくりしたように大きな声で言うのだった。
廊下を波美と勝乃新が仲良く歩いている。
波・ありがとうな。洗いもん。なんでぇ。あれだけ食べたんやから
当然やろ。という勝乃新。
縁側まで来た二人は、はまもと荘に庭で縄跳びをしている見知らぬ
青年を見ている。
波・なんよぉ。お客さんかという勝乃新。
ほやねえ。という波美。
そのとき、一平の声がする。
一平・よっしゃああ。と大きな声で言う。どうや水を汲んできたぞ。
ほらほら。とその青年に渡している。
波・いっぺいぇ。
一平・おおほお。波美や波美。戻っとったんか?うんという波美。
夫連れの里帰りか。よぉ。山田勝乃新元気にやっとうか波美と。
勝・まあおかげさんで。
一平は時計を見て
よっしゃあ次行くぞ。二重飛びや。よーーーい。よーーーい。
準備をする。青年。時計をセットする一平。
そこへ加代が来る。お弟子さんよ。という。一平君の猟師の弟子。
船に乗る前にトレーニングなんやってという。
勝・へえぇ。波美は微笑みながら必死に二重飛びをする
矢口茂太:佐々木卓馬を見つめているのだった。
会社に出勤した波美。
ロベ・山田波美様大当たり。ウホォ・・と当選の葉書を波美に見せる。
波・ええ。嘘ですよねという友近。
ロベ・本当だよ。ほらああ。と波美に見せる。
波・ちょっともういっぺん見せてください。
勅使河原・何?何の騒ぎ。
須藤啓・ナナホシ電鉄の北海道旅行が当たる懸賞に応募してみたん
ですよ。浜本たちの新婚旅行にって。
へええ。と他のひとがいう。
波・やっぱり当たってます。と嬉しそうにいう。
友近・へええあるんだそういうこと。
ロベ・これで北海道新婚旅行決まりだよ。
うわーーーと本当に当たった事に喜ぶ波美でした。
その頃、笹原うどん店では、果歩と綾が二人の結婚式の写真を見ている。
綾・これ修二が撮った写真。かなり面白いと言って写真帳を果歩に
見せている。偽造写真じゃわ。
果歩・ホントねえ。なんだか、まともなものがない。
綾・ほうやろう。あまりにおかしい顔ばっかりやけん。
綾・波美にもあげるわ。
果歩・そうねえ。ホントに。と言いながら、ページをめくってゆく
果歩だったが、一平が大きく写っているページに来ると手が止まり
あっと大きな声で言う。
綾・阿呆まるだしやったなあ。
果歩・そうかな。とマジな顔でいう。
綾・あっ。果歩。カッコイイじゃんとか言うとったんじょ。
フミ・へええ。
果歩・だってあれって本当は、誰もがなりたくてなれない姿でしょ。
綾・えっ。突然分らない事を言われてびっくりする綾。
果歩・自分の気持ちを偽って格好付けてるより、ずっといいわよ。
鬱陶しいくらい熱くてストレイトじゃない。
綾・果歩は結構熱い男が好き? えっという果歩。
フミ・なんやワカランもんやねえ。あんたみたいにクールな子がぁ。
果歩・まあ一途っていうのは悪くないし。うんというフミ。
綾・ということは、一平って結構あんたの趣味?えっという果歩。
綾とフミは互いに顔を見合わせて微笑みながら頷いている。
果歩・何?おばちゃんまで。
フミ・いやいや、ええーでぇ。綾と口を合わせて果歩を見て、
ええでーぇ。といわれる。
何?それ。わかんない。という果歩であった。
まだ自分の中に一平を慕う思いが芽生えている事に気づいていない
果歩であった。
その頃一平は、とはまもと荘の庭にいる。大きな網の準備をしていた。
そこへ加代が連れてきた弟子の矢口が庭に来る。
一平・おおおお。来たかあ。
矢口・お願いします。
一平・よっしゃあ元気か?まあまあと答える矢口。
一平・今日の漁のおさらいしようか。へい。言うてみぃ。
矢口・へいけ島で定置網の仕掛けを。
一平・ほうや、ほしたら昨日準備した網はなんや?
矢口・イワシ網。
一平・ほうやよっしゃ行くで弟子よ。ほれと網を指差す。
行け。と言って網の向こう側を持たせ二人で掛け声を掛け持ち上げ
船まで運んで行くのだった。
加代・気ぃつけてね。大丈夫じゃという一平。
泰三・ホナわしも行くけん。
加代・はいいってらっしゃい。と笑顔で送り出す。
その頃、波美は、会社に戻ってくる。
帰って来た波美は、白板の出先の文字を消す。
そのとき吉野が通る。
吉・ハマちゃーーん。どうやった。90歳のスダチ農家の斎藤さん。
波・はい。初日やのに快く取材に応じてくれて元気な姿にびっくり
しました。ほうか良かったなあ。という吉野。
白板の前で下を向きなにやら考えている様子の友近。なかなか行く先を
書かないでいる。みんなが不審がってみつめている。
吉・これ友近。と声を掛ける。行くんなら行く。行かんのなら行かん。
戻れと言われる友近。
友近・そのう。どないしたんですかと波美が声を掛ける。
いや。という友近にいやじゃないでしょ。とってもオカシイヨ。と
ロベにも言われる。
友近・実はそのう・・・。さっき妻が入院しまして。
全員がなにぃ。と驚く。
友近・いやああのう。これこれと大きなお腹を示すように手を
お腹の辺りで動かしてみせ、産気づいちゃってという。
吉・阿呆!!なんで言わんのよぉと友近の所へ駆け寄り叱り付ける。
えっという友近に、吉野はいってやれと言い、腕を押して行かせる
ようにする。
友近・あーーすみません。ちょっとだけと言いながら
病院へ駆け出してゆくのだった。
その頃、はまもと荘では玄関に水を打っている加代。
そこへ大きな声であかーーーーんという声に驚き声の方を見る加代。
大丈夫かあ。と言っている。
それは一平と矢口だった。一平は重たそうに網を持っているが、
矢口は網が体に絡まり身動きできず、自由な足だけで雁字搦めで
戻ってきていた。
おばちゃーーーん。加代を呼ぶ。
どうしたんとその姿を見て駆け寄る。その声を聞き、哲也も出てくる。
哲也・おいおい大丈夫かあ。
一平・このど阿呆。海に出る前に自分で網にかかってどないするんじゃ。
ええ。
哲也が網を解こうとするがついにその場に倒れこむ矢口。
矢口・足。痛。ダネだこりゃ。異常な痛みです。いたーーーーい。
と叫ぶ。足いたい。という。
一平・中川先生の所へ行って来るわ。と行きかけるが、加代が電話。
といいい、電話にかけにはまもと荘に入っていくのだった。
果歩が来て治療に当たっている。矢口の足を湿布して固定バンドで
止めている。
果歩・じゃあこれで休んで。と矢口にいう。
一平に、大丈夫だと思うけど、明日も痛むようなら病院に来て頂戴。
という。
一平・おうありがとうな。なんや手際ようて、さすが医者だけの事は
あるわと果歩を指差して感心している。
果歩・これは救急箱があれば出来る事。この人が弟子?と一平に聞く。
矢口茂太・一平はやぐちもんたと紹介する。
人生をかけにやってきたんよ。な。と矢口にいう。
果歩・じゃあ矢口さん。一平師匠のように、きちんと道具を
扱いなさい。それが出来て初めてプロの猟師としてやって
いけるんだから。という。
矢口・はいと元気なく答える。
一平・さすがええこと言うでぇ。
果歩・だってそうでしょう。鈴木のいいっとこは、プロの猟師として
誇りをもってやっているとこだし。
一平・うん?ううんまあほうやけどな。
果歩・がんばって。おおぉ。おおありがとうな。ホンマに。
それじゃあと言って帰っていく果歩。
果歩ちゃんありがとうね。と哲也と加代がいう。
じゃあお大事にといい帰っていくのだった。
一平・なんかなあ。妙なんよ。
哲也・何が?
一平・あいつ最近俺の事、よう言うんよ。へええ。という加代だった。
一方ゾメキでは友近が病院から帰ってくる。
啓・どうだった?
友近・ええ。うーんでもまだだそうで。そうかあ。という啓とロベ。
波美・失礼しますといって会議室の扉を閉める。
友近・どなた?
啓・またいらしているの。
友近・花桃堂さん。
会議室では、次号の元原稿をみている、花桃堂若社長
花見喜一:伊藤えん魔難しそうな顔をして原稿をチェックしている。
対応しているのは吉野と勅使河原だった。
不安げに見つめる波美だった。
——-
吉野は、命といえる、発心に最大のスポンサーの意見を飲み、
進んでいくとこを決める。波美はスダチ農家の斉藤に取材をして
企画を推し進める。さて何とかまたやっていけると思っていた
が最終段階になり、花桃堂の若社長が来て原稿をチェックする。
なにやら嫌な予感がしますね。
目が離せませんね。
一平の弟子も何とか一生懸命に自分に挑戦しています。
がんばってくれると嬉しいなあ。
一平と、果歩もなんか意味深ですなあ。どうなる事でしょう。
あっそれとぉ。昨日の更新にも載せましたが、徳島での最終ロケ
の様子が徳島新聞に載っていましたね。波美が抱いている子供は
波美の子供らしいです。女の子みたいでした。
勝乃新と波美の間の子供の名前が知りたいものです。
多分、分るのは最終週になってからかな。
楽しみです。っていうか・・・ちょっと寂しいですね。
あとわずかで終るのですね。残り一ヶ月とちょっとかあ。
早いものですね。



















